トールペイントとは

トールペイントとは、陶器、木、布、ブリキ、、ガラス等の素材に様々なテクニックで絵を描くアートのことをいいます。

本来Tole =ブリキで出来た台所用品に描かれたものを指していたのですが、今では、幅広い装飾的な絵全体を指すものとして使われています。

18世紀前後、ヨーロッパ各地に芽生えたフォークアートがアメリカへ渡って、新しい伝統文化としてより親しみやすい夢のあるクラフトとなりました。

デザインが豊富で、誰にでも簡単に絵を描くことが出来るので、現在では多くの人が楽しんでいるクラフトです。

 

トールペイントには、大きく分けて次のようなものがあります。

<アメリカントールペイント>

アメリカ風土の中で生まれたカントリー風、ベースコートの上に、シェード、ハイライトをつけて立体的に描いていく手法です。風景、花、人物、動物、等のモチーフをあらゆる手法を取り入れ自由な描き方ができます。

<ジョストボ>

ロシアでは、ティンのトレーやジョウロなどに果物、花、鳥等が鮮やかな色で描かれています。鮮明なハイライトがつけられ、縁にライナーワークが施されているのが特徴です。

<フレンチフローラル>

フランスでは、ティンのトレーなどに花が描かれています。ロシアのジョストボと比べると、フレンチフローラルの方が淡く柔らかく描かれているのが特徴です。

<アッセンデルフト>

オランダのアッセンデルフトの地方では、チューリップ、スイセン、バラ、ユリ、ヒヤシンス等、花がモチーフになっていて、丸筆に2~3色の色を一度につけ、一筆ですばやくのびのびと描くのが特徴です。

<ヒンデーローペン>

アッセンデルフトと同じで丸筆で描きますが、色づかいや性質が違います。ヒンデーローペンカラーと言われるグリーン、ブルー、レッド、オフホワイト等重厚感のある独特の色を次々と重ねていくのが特徴です。

<ローズマリング>

ストロークと呼ばれる巻いたつるの模様が特徴です。色彩が豊かで油絵の具で描く事が多いようです。ローズマリングにはいくつかの様式があり、それぞれノルウェー南部の発祥地の名前がついています。

<バイエルンマーレライ>

ドイツ南東部バイエルン地方より生まれたものです。花の他にも、風景、人物、鳥等描いた物もあります。丸筆を使った一筆描きで描き、絵の具の微妙な混ざり具合を楽しめるのが特徴です。